2.高島市の現状

(1)人口の動向

 

 
 

高島市の人口の推移をみると、滋賀県下でも著しく人口減少が進んでいる。また、高齢化率をみても、平成22年で27.9%と全国・滋賀県全体に比べても高い数値となっており、平成32年には34.9%となることが予測されている。人口減少・高齢化の進行に伴い、市内では空き家が増加しており、集落機能の維持や環境悪化等の面で懸念が生じている。

(高島市の人口推移)
 

   
出典:国勢調査 平成32年は国立社会保障人口問題研究所
 
 
 

(2)産業の動向

 

 
 
高島市の経済活動別市内総生産を産業別にみると、製造業、不動産業、サービス業が多くなっており、特に製造業については、これまで基幹産業として高島市全体の経済を牽引してきた。
近年の推移をみると、全体として衰退傾向にあり、特に基幹産業である製造業については、平成17年から21年にかけて、著しく衰退している。
一方、雇用の動向をみると、平成21年以降は求人数が増加している。そのため、平成21年以降は高島市全体の経済は復調傾向であることが推察される。増加傾向にある求人が、就業につながるよう、雇用のミスマッチが生じない対策の必要性が増していると思われる。
 
(高島市の経済活動別市内総生産の推移)
 

 
出典:高島市統計書
 
(高島市の求人数の推移)
 
 

 
  出典:高島市統計書

(3)自然の現状

 
 

   

 
滋賀県北西部に位置し、県内最大の面積を有する本市は、琵琶湖へ注ぐ水のほぼ3 分の1 を生み出す地域といわれている。市の面積のうち72%が森林であり、市内を流れる安曇川は、琵琶湖に流れ込む水の40%もの量を占めているといわれている。
しかし、近年では、人口減少や高齢化に伴い、人工林の維持管理を行う担い手が不足した結果、森林の荒廃が進み、森林の保水機能が低下したり、土砂災害の危険性が増したり、鳥獣害の被害が拡大する等の問題が生じている。
また、滋賀県内で唯一「日本の棚田百選」に選ばれた畑(はた)地区の棚田をはじめ、美しい棚田や里山の風景を有するが、近年は耕作放棄地が増加を続けており、農地・景観の保全に懸念が生じている。
 

(4)交通の現状

 

     

  
本市の旧マキノ町については、福井県の美浜原発から30km圏内、高線量地域に指定されており、原子力災害が生じた場合の対処について、十分に備える必要がある。
また、福井県から畿内へとつながる避難経路の確保等、広域的でより現実的な避難方法の整備の必要性も増している。しかし、現状では福井県と本市を結ぶ広域幹線道路等の整備は十分ではなく、今後避難交通網としての整備の検討が望まれる。

(美浜原発の高線量地域)
 
 

 
 

(5)観光の動向

 
 

 
 
本市の観光客数の推移をみると、「道の駅 藤樹の里あどがわ」、「マキノ高原さらさ」への入り込み客数は平成19年から23年にかけて増加傾向にある。「道の駅くつき新本陣・日曜朝市」についても平成22年から23年にかけては減少したものの、平成19年から22年にかけては増加と概ね増加傾向にある。
滋賀県全体の傾向をみると、全体に減少傾向にあり、湖西地域については観光入り込客数、宿泊者数ともにやや減少している。
(滋賀県の観光入り込客数の推移)
 
 

 

 
 
 

(6)行財政の動向

 
 

 

 
本市の財政力指数をみると、平成24年では0.42と、全国の自治体1718中934位、滋賀県の自治体19中17位と、厳しい行財政となっている。また、平成19年から平成24年にかけての財政力指数変動率-8.70%であり下落傾向にある。
(滋賀県の財政力指数ランキング)