4.高島市のまちづくり課題

課題1 人口増加に向けた定住環境づくり

本市は、人口減少や高齢化が著しく、集落機能の維持が困難な限界集落も多く抱えている。今後の地域の活力を維持・向上するために、人口増加に向けた定住環境づくりに取り組むことが必要である。特に、京阪神に比較的近い位置にありながら、豊かな自然や日本の原風景ともいえる景観を多く残しているといった本市の魅力を十分に活かした取組の検討が求められる。
 

課題2 競争力を発揮し、地域の活力を支える産業振興

基幹産業である製造業をはじめ、本市の産業は衰退傾向にある。未来の地域の担い手が本市に定着するためにも、産業の振興は必須の取り組みである。本市固有の地域資源や特徴を活かし、他地域にはない競争力の高い産業の育成を図る必要がある。
 

課題3 荒廃する山林や農地等の適切な管理保全

琵琶湖の水の3分の1を生み出すと言われる豊かな森林や、日本の原風景ともいえる農地や棚田等は、本市の大きな魅力であり将来に渡りその機能を引き継ぐ必要がある。しかし、近年人口減少や高齢化を背景に、人工林の荒廃や耕作放棄地の増加が進んでおり、適切な管理保全を継続するための取組みが求められる。
 

課題4安全確保と交流促進に向けた、福井県と畿内を結ぶアクセスの強化

本市は福井県の美浜原発から30km圏内、高線量地域に指定されており、原子力災害が生じた場合の対処について、十分に備える必要がある他、福井県から畿内へとつながる避難経路の確保等、広域的でより現実的な避難方法の整備の必要性も増している。現状では福井県と本市を結ぶ広域幹線道路等の整備は十分ではなく、今後避難交通網としての整備の検討が望まれる。
 
 
 

課題5 地区の特性を活かしたメリハリのある都市構造の実現

本市には、旧6町村を中心に各地域多彩な地域の個性や魅力を有している。今後本市の活力を向上させるためには、市民の間での流動性を高め、交流を促進することにより、各地域の個性や魅力を際立たせていくことが重要である。そのため、各地域で特性を活かした取組みをそれぞれ推進する他、各地域間のアクセス向上に向けた公共交通の導入等、メリハリのある都市構造の実現を図ることが望ましい。
 

課題6 高島の魅力づくりにおける文化やアートの一層の活用

本市では、「風と土の交藝」の開催定着をはじめ、文化芸術に親しむ市民や来訪者が増えつつある。今後は、文化やアートを一層地域の様々な取組に取り入れ、現在の機運をさらに盛り上げるとともに、高島の新たな魅力としていくことが望ましい。
 

課題7 行政・民間の連携強化による公共サービスや施設運営に
    施設運営に係る行財政負担の軽減

本市の行財政は、滋賀県下でも最も厳しい水準にあり、今後は行財政負担を軽減させながら、公共サービスの水準を維持するための提供体制等を構築する必要がある。行政と民間との連携強化を図り、これまでとは異なる公共サービスや公共施設運営のあり方を検討することが重要である。